不良債権とは、企業の破たんや経営悪化などの理由から、
回収困難になる可能性が高い貸出金のことをいいます。
バブル時代、銀行は土地や株を担保にして、企業に大量の資金を貸付けました。
ところが、バブルが崩壊して企業の経営が悪化し、銀行にお金を
返せなくなったため、銀行は担保を差し押さえようとしました。
しかし、バブル時代に担保とした土地や株は、バブル崩壊とともに
下落してしまったため、いくら担保を差し押さえても貸したお金は取り戻せませんでした。
こうして、銀行は巨額の不良債権を抱え、経営を悪化させてしまいました。
不良債権問題は、日本経済を脅かす大問題に発展しています。
景気低迷が続き、新たな不良債権がどんどん発生しています。
銀行も不良債権の処理を行ってはいるのですが、不良債権額は増加する一方です。
銀行の債権は、資金の返済能力によって、自己査定という形で、
正常先・要注意先・破たん懸念先・実質破たん先・破たん先の5つに分類されます。
ここ最近の、各銀行の引当率をおおまかにまとめてみると
以下のようになります。
(いくつかの銀行の平均ですので、単なる目安として見てください)
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これを見てもわかるように、要管理先以下の債権に対する
貸倒引当率がかなり高くなっています。
つまり、自己査定で、要管理先以下に分類されると、
新たな融資はかなり困難になってくるのです。
破綻懸念先、実質破綻先、破綻先では、不良債権のオフバランス化といい、
新規発生分は3年以内、既存分は2年以内に帳簿から
消し去る最終処理を行います。
不良債権を帳簿から切り離してオフバランス化する方法を、直接償却といいます。
直接償却には、
(1)銀行の債権放棄、
(2)法的整理(会社更正法の適用)、
(3)債権の売却 の3つの方法があります。
しかし、どの方法をとっても銀行や企業の負担は相当なものになります。
銀行がオフバランス化によって負担する費用は年間の業務純益を
上回るものとなり、また企業も倒産やリストラを余儀なくされることになります。
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